HOME > よくある質問 > 損害賠償について > 後遺障害の逸失利益とは何ですか?サラリーマンの場合はどのように算定しますか?
交通事故に遭い、怪我をしたことで後遺障害が残存しました。
後遺障害が残った場合は、逸失利益というものを請求できるそうですが、具体的にどのようなものでしょうか。
サラリーマンですが、逸失利益はどのように算定されますか。
交通事故による後遺障害がなければ得られたであろう利益のことを、後遺障害の逸失利益といいます。
交通事故に遭い受傷し、その後遺障害が残ってしまった場合、以前と同じように収入を得られなくなってしまったりすることがあります。
このように、交通事故による後遺障害がなければ得られたであろう利益が失われてしまった、その利益を後遺障害による逸失利益といいます。この逸失利益もまた交通事故の加害者に対して損害として請求できます。
サラーマンなどの給与所得者の後遺障害による逸失利益は、
基礎収入×労働力喪失率×労働力喪失期間に対応するライプニッツ係数
で算出します。
サラリーマン等の給与所得者の基礎収入は、原則として、現実の収入額、つまり交通事故の前の年の給与額が基準とされます。賞与がある場合、賞与もこの給与額の中に含まれます。また、現実の収入が賃金センサスの平均額よりも下回っている場合で、賃金センサスの平均賃金と同等程度の収入が見込まれる可能性がある場合は、賃金センサスを用いて基礎収入とすることもあります。
労働能力喪失率とは、交通事故により後遺障害が残ったことで、労働能力が低下したことを数値化したものです。労働基準局長通牒(S32.7.2基発551号)別表労働能力喪失率が基準とされ、これに基づいて計算されます。
この労働能力喪失率数値が高いほど、労働能力が低下したことになります。14級から5%、13級9%、12級14%・・・と定められています。
被害者の仕事に大きく関わる、仕事に大きな影響を及ぼすような後遺障害を負った場合、その労働能力喪失率は高く認定されることもあります。この労働能力喪失率の表を参考にして、被害者の個々の状況等に、あてはめていくことになります。
労働能力喪失期間は一般的に67歳までとされています。67歳以上でも就労可能である場合は、平均余命の2分の1を労働能力喪失期間とすることもあります。平均余命とは、ある年齢の人が、あと何年生きることができるかを表している数値です。ここでは、被害者の年齢と同じ年齢の人があと年々きることができるかをみます。
また、未成年で就労していない場合は、原則として18歳から67歳までとなりますが、未成年者が大学生であれば、修学終了時の年齢から67歳までとなります。
最後に、ライプニッツ係数についてです。ライプニッツ係数は中間利息控除するための係数のことを指します。逸失利益は一括で前払いしてもらうため、今後発生するであろう期間における利息も一緒に受け取ることになります。この利息を民法上の法定利息年5%で計算して、控除します。例えば1年後に100万円受け取るはずが、今受け取るとしたら、1年後に100万円となるように、元金を計算して、利息分を控除するということです。
ライプニッツ係数は、この利息計算のための係数ということです。