弁護士法人 TLEO虎ノ門法律経済事務所 静岡支店 交通事故被害者相談

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交通事故により1下肢を失ったものとして後遺障害4級5号に、右大腿の採皮痕は後遺障害14級5号に該当し、事前認定で後遺障害等級併合4級に該当する後遺症を残した被害者の後遺障害慰謝料等を判断した裁判例

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交通事故により1下肢を失ったものとして後遺障害4級5号に、右大腿の採皮痕は後遺障害14級5号に該当し、事前認定で後遺障害等級併合4級に該当する後遺症を残した被害者の後遺障害慰謝料等を判断した裁判例

後遺障害等級

被害者は、左腕神経叢損傷のため、左腕神経麻痺、左上肢知覚・筋力障害を来たし、左手指5指全てにほとんど力が入らず、左手指で物を把持することが全くできなくなり、左手指の著しい機能障害は後遺障害7級に相当すると主張し、後遺障害併合2級を主張した(なお、その根拠として、平成17年4月7日付けA病院の診断書には、病名に左腕神経叢損傷が記載され、B病院作成の自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書では、傷病名に左腕神経麻痺が記載され、左上肢・知覚・筋力障害ありと記載されていた。)。
しかし、C病院の平成19年2月7日付け診断書では、入院時左上肢の機能については正常ではないが、筋力も良好であり、比較的良好であったとされており、また、平成17年8月12日ころ、急に左手の巧緻性の低下ありと記載され、前記後遺障害診断書でも、左手指には触れられていなかった。さらに、被害者は、昭和62年に膠原病を発症しており、本件事故から左手指でつかめなくなるまでかなりの期間が経過していた。これらの事情が考慮され、左手指でつかめないことを本件事故の後遺症害と認定することは困難であるとされた。

後遺障害(後遺症)による慰謝料

後遺障害(後遺症)による慰謝料について、後遺障害併合4級の後遺症が残ったこと、また、親族が被害者の退院後再入院まで介護してきていたこと、その他本件で現れた諸事情を考慮すると、慰謝料額は1、750万円と認めるのが相当とした。

後遺障害(後遺症)による逸失利益

後遺障害(後遺症)による逸失利益について、被害者が膠原病を発症しており、また、昭和58年初診にかかるSLE(全身性エステマトーデス)、PSS(進行性全身性硬化症、全身性強皮症)であることなどから、事故前の年収である8万5959円(パート収入)を越える収入を得る蓋然性は小さく、前記金額を基礎収入とし、今後10年間就労できるものとして、労働能力喪失率92%とし、逸失利益は、以下の計算式により61万0673円となるとした(8万5959円×0.92×7.722(10年のライプニッツ係数))。

弁護士からのコメント

被害者に事故前から膠原病などの持病があったことから、後遺障害等級の認定や逸失利益の算定において、その持病をどのように考慮するかが大きな争点となった事例です。結論的には、後遺障害等級において自賠責の認定を覆すだけの根拠はなく、また、逸失利益において持病から就労能力に乏しいと判断せざるを得ないことから、被害者の主張は認められないという結論になっています。交通事故前に持病がある場合には、持病とは無関係な事故による損害であるかどうかを丁寧に検討する必要があるといえます。

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