HOME > 後遺障害の裁判例 > 交通事故により後遺障害等級併合12級(下肢醜状障害等)の後遺症を負った被害者(女性・症状固定時21歳・アルバイト)の後遺障害慰謝料等を判断した裁判例
後遺障害(後遺症)による慰謝料について、両下肢の醜状障害のほか、等級に該当しないものの、右下肢の機能障害は労働能力喪失が認められる後遺障害であることから、420万円が相当とした。
両下肢の醜状障害は、衣服等により隠すことが可能であり、労働能力に影響を与えないことが一般的ではあるが、事故当時ダイビングインストラクターを目指し各種の資格を取得し、近い将来同職業について生計を立て得る可能性があったにもかかわらず、ダイビングインストラクターを断念せざるを得なかったのであり、症状固定時から10年間については15%、次の10年間については10%、その後の10年間については5%の労働能力を喪失したものと認めるのが相当とした。
被害者が若い女性の事例です。逸失利益の算定に当たって、両下肢の醜状障害は、外貌の醜状と異なり衣服等により隠すことが可能であるため、労働能力に影響を与えないことが一般的とされていますが、実際に目指していた職業を断念せざるを得なかったことや、被害者が若い女性であることを、労働能力を喪失せしめる要素として考慮した裁判例です。