HOME > 死亡事故の裁判例 >交通事故により死亡した被害者ら(男性・事故時21歳、男児・事故時11か月)の慰謝料等を判断した裁判例
本件事故は、加害車の一方的かつ重大な過失によって生じたものであると認められる上、これによって突然人生を絶たれた被害者らの無念は筆舌に尽くし難く、遺族の被害感情が峻烈であるのも当然であるとし、遺族が受けた精神的苦痛は極めて大きく、これを慰謝するためには、被害者(夫)の死亡に関する慰謝料として、本人分2800万円、妻に400万円、父母に各100万円の合計3400万円を認め、被害者(男児)の死亡に関する慰謝料として、本人分2200万円、Bの母親に300万円、祖父母に各50万円の合計2600万円の慰謝料を認めることが相当とした。
死亡による逸失利益について、本件事故当時の賃金センサスの男子全年齢平均賃金を使用し、被害者(男児)について、独身男性であるので生活費控除率を5割とし、2093万9293円、被害者(夫)について、一家の支柱であり、妻及びBを扶養する者として、3割の生活費控除をし、6942万9143円とした。
21歳の男性と生後11か月の男児が被害者の事例です。本件交通事故時、加害者が運転していたのは、衝突事故を起こした場合、極めて重大な結果を発生させ得る10トンの貨物自動車で、通常の自動車運転手に比べても高度な注意義務が要求されていました。それにもかかわらず、降雪の影響により路面状態の悪い片側一車線の道路のトンネル入り口付近で、はみ出し禁止区間であるのに追越しをしていることや、本件事故前に、あおり運転をしていたこと等の事情から、基準額を上回る死亡慰謝料が認定された裁判例です。